隆盛を極めたSWCの消滅。Cカー最後の大舞台となったのがル・マン24時間だった。連覇で有終の美を飾りたいプジョー。大幅な改良を施したTS010を持って悲願のル・マン制覇を目指すトヨタ。前年に続く2強対決となった。更に市販GTの出場も認められポルシェカレラRSR、ジャガーXJ220、ベンチュリ500LMなどがエントリー。出場台数は47台にまで増加した。スタートでリードを奪ったのはポールシッターのアリヨーのプジョー。しかし8周目にはアーヴァインのトヨタが首位に立ちレースを引っ張っていった。しかし、プジョー、トヨタもアクシデント、トラブルが続き予断を許さない展開となり、ピットストップごとにプジョー、トヨタがトップを奪い返す戦いとなった。スピードではプジョーに勝っていたトヨタ。しかしル・マンの女神は日本からの挑戦者に振り向くことはなかった。勝ったのはプジョー、表彰台を独占。トラブルが最後まで続いたトヨタはアーヴァイン/関谷/鈴木組の4位が最上位となった。80年代、黄金期を築き上げたグループC。FISAの目論見はもろくも崩れ、史上最速といわれたスポーツカーは1993年を持って表舞台から姿を消すこととなった。